「飲む」から「飾る」へ。お気に入りともっと長く付き合うためのアイディア

先日、こんな質問をいただきました。

「ほんの少しなんですけど、
グラスの縁が欠けてしまって…。
とってもお気に入りだったので、
処分するのも悲しくて。
こんな時、先生ならどうしますか?」

その言葉を聞いて
「あぁ、その気持ち、とってもよく分かります!」と
私も深く頷いてしまいました。

大切にしていたものだからこそ
簡単には「さよなら」できない。
切ないけれど、とても優しい悩みですよね。

もちろん、安全のため
飲み物を飲むためのグラスとしては
もう役目を終えたのかもしれません。

でも、そのグラスの役目は
決して終わりではありません。

そのビジュアルがお気に入りなら
これからは飾るという新しい役割で、
もっと長く一緒にいませんか?

 

こんにちは。
埼玉県川口市(東川口)の「食と暮らしを愉しむ教室」
テーブルコーディネーターの中江利会子です。

 

「飲む」から「飾る」へ
役目が変わったグラス

例えば
上の写真のように季節のフルーツやお花を飾ってみる。

ガラスの透明感が
植物や果物の瑞々しさをより一層引き立ててくれて
それだけで素敵なオブジェになります。

いくつか並べてテーブルのアクセントにすれば
食卓にリズムと彩りが生まれます。

 

季節のイベントを楽しむための
小さなショーケースにするのもおすすめです。
ハロウィンの時期には
小さなかぼちゃを入れてみたり。

 

秋冬には
公園で拾った松ぼっくりと赤い実を飾れば
温かみのあるディスプレイに。

 

クリスマスには
キラキラのオーナメントをいくつか入れるだけで
ときめくクリスマスの設えが完成します。

 

いかがでしたか?
「飲む」という一つの役割が終わっても
グラスはもっと色々な表情を見せてくれます。

実はこれ
テーブルコーディネートの考え方にも通じることなんです。

「なんだかテーブルが物足りないな」と感じた時
つい
「何か新しいものを買わなくちゃ」
と考えてしまいがちです。

でもその前に
ほんの少しだけ視点を変えてみる。

今、目の前にあるものの
いつもの役割から外れて考えてみると
(例えば、いつもの盛皿にお花を飾ったり、お醤油皿を箸置きにしたり)

新しいものを買い足さなくても
コーディネートの可能性は無限に広がります。

 

お気に入りを無理に捨ててしまう必要なんてありません。

お気に入りだからこそ
視点を変えて、新しい魅力を見つけてあげる。
それは、モノと長く付き合っていくための
とても素敵な工夫であり
テーブルコーディネートの本当の楽しさだと思います。

もし、あなたの食器棚の奥にも
少しだけ欠けてしまって眠っているお気に入りの子がいれば
ぜひこの視点を変えるアイデアを試してみてくださいね。